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2016.01.18

遠隔医療が変える、日本の医療

いままで医療といえば患者さんが病院に出向き、診察室で医師の診察を受けるというのが当たり前の風景でした。もちろん今もその形態はほとんど変わっていないのですが、少しずつ道なき道を掻き分けるように、医療現場にも「遠隔」の波が押し寄せているようです。 パソコンやスマートフォンなどを活用して行う遠隔医療とは、いったいどのようなものなのでしょうか?

C【遠隔医療のメリット1】 高齢者やへき地にすむ人々が、診療を受けやすくなる

日本ではまだまだ発展途上の遠隔医療ですが、取り急ぎ広まりを見せ始めているのは、高齢者やへき地に住まう人のための遠隔診療です。病院に行きたくても行けない高齢の患者さんや、地域に専門病院のないへき地の患者さんは、遠隔診療が普及することで大いに助かることでしょう。

 

たとえば、こんな情景を想像してみてください。へき地に住む寝たきり状態の高齢の患者さんで、専門医の診察が必要な人がいたとします。通常ならば、車椅子や担架などの手段を使って遠方の専門施設に出向くか、それができなければ診察を諦めるしかないでしょう。

そこに遠隔診療を導入すると、どうなるでしょうか? 地域の医師が患者さんの自宅に往診に行き、遠方の専門医と「Web会議(テレビ会議)」でつながることで、患者さんは自宅にいながらにして遠方にいる専門医の遠隔診療を受けることができます。画面を通して問診し、気になる点はスマートフォンで患部を見せるなどして、より詳しい診察が可能なのです。

 

もちろん遠隔診療でできることには限界もありますが、遠隔診療が広まることによって「へき地に住んでいるから専門医の診療を受けられない」という不便さからは、開放されるでしょう。

 

 

 

C【遠隔医療のメリット2】 専門のドクターが、他分野のドクターの診療を支援できる

たとえば、A内科クリニックで診察を受けていた患者さんのレントゲンを撮ったところ、「どうも咽頭部の腫れが気になる」とドクターが判断。その部分は専門外なので、耳鼻咽喉科の専門医であるBクリニックの先生に遠隔診断をしてもらうため、パソコンから患者さんのデータを転送します。Web会議(テレビ会議)を使ってドクター同士が状況を話し合い、モニターを通して患者の問診をし、「この咽頭部の腫れは、こういう病気から来ています」という具合に遠隔診断を受けることが可能です。さらにその患者さんが外国人だった場合は、映像通訳サービスの「見える通訳」を利用して、言葉の壁を越えた遠隔診断もできます。

 

こうしたシステムを利用すれば、ドクターはより正確な診断を進めることができ、患者さんは辛い体調を我慢して専門施設に出向く必要もありません。無駄な時間と労力を使うことなく、治療を迅速に進めることができるのです。今の段階では夢のような話ですが、今後は通信回線を積極的に活用した遠隔診断を行うことで、医療の現場は大きな進歩を遂げることでしょう。

◆Web会議(テレビ会議)によって、地域の訪問診療の医師らと専門医の連携を可能にします。

・みえる通訳
http://www.mieru-tsuyaku.jp/

C【遠隔医療のメリット3】 将来的には、遠隔手術も可能になる!?

ドクターがいないのに遠隔で手術ができる――。そんなアンビリーバブルなことも、IT技術を駆使することで実現に向かいつつあります。たとえば地方の病院に入院している心臓病の患者さんが、大きな手術を必要とした場合、都会の大病院に移動するのは並大抵ではありません。そんな時に、地域の病院の手術室にいながら、心臓病の権威であるドクターの手術を受けられるとしたどうでしょう? まるで未来系の漫画に出てくるような話ですが、ロボット手術システムが実用化されれば、このようなことも夢ではないのです。

 

遠隔手術の普及には、まだ時間もかかりそうですが、10年後・20年後の未来には何らかの形で姿を見せていることでしょう。まさに日進月歩の医療技術、その未来を支える立役者は、IT技術といえそうです。

◆キャプション

◆遠隔診療、遠隔診断について、平成27年8月10日厚生労働省からの通達により、事実上解禁になったようです。

 

 

 

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