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2016.03.29

【インタビュー】ITを有効活用して、介護の新しい未来を拓く

Web会議(テレビ会議)などのIT設備を介護事業に積極的に取り入れ、介護環境の改善に尽力しているのが、「株式会社日本介護福祉グループ」代表取締役会長の藤田英明氏。自ら現場の過酷な就労環境を経験したことで、改善に向けて果敢に走り出し、事業のかたわら全国約40000事業所が連携し合う「全国通所介護事業者連絡会」の代表理事として日々奔走されています。マスコミにもよく登場されるので、ご存知の方も多いかもしれませんね。今回はその藤田氏に、IT技術をどのように現場に取り入れているのか、介護事業のIT化の必要性などを中心に、お話を伺いました。

元株式会社日本介護福祉グループ 代表取締役会長  /  一般社団法人全国通所介護事業者連絡会 代表理事
                                                                藤田 英明 氏

N「介護の現場こそ、今すぐにでもIT化を!」

―藤田様は現在、700の介護施設・デイケア施設を運営されているそうですね。

もともと私は福祉に興味があり、福祉系の大学を卒業して特別養護老人ホームで働いていたのですが、そこで見た介護の現実に衝撃を受けて起業を考え始めました。2005年に事業を立ち上げ、利用者様の真のニーズに応えるため、空き民家を活用した「茶話本舗」というデイサービスを立ち上げたのです。

自宅のようにくつろいでいただき、料金的にも利用しやすいサービスが好評で、現在はフランチャイズを含め介護施設・デイサービスが700施設に増えました。

 

―当社のWeb会議(テレビ会議)を始め、IT化にも積極的に取り組まれているとのこと。

介護に関するさまざまな情報を、職員がiPadでどこでも入力できるようにしました。勤務の「シフト作成」や、デイサービスの「送迎ルート検索」、「会計の仕訳」もシステム化しています。

介護の現場こそ、IT化を早急に推し進める必要があるんですよね。なぜなら、介護施設の環境はご存知の通り、けっして良くはありません。長時間労働が当たり前、夜勤はあるし、仕事もきつい。そんな状況の中で、少しでも仕事の負担を軽くするためには、IT化が絶対に必要なのです。

 

 

 

 

N「全国の介護施設が連携することで、業界全体をレベルアップ」

―そのために全国通所介護事業者連絡会の活動もされているのですね。

そうなんです。「自分の介護施設だけが良ければいい」という問題ではなく、全国の介護施設が連携して、皆で介護業界全体を変えていかなければならないと思っています。そうすることが、介護の質の向上や、施設の順調な運営にもつながりますから。

たとえば、いまほとんどの介護施設は紙ですべてのデータを管理していますが、これをデータ化することで、大幅に職員の労働時間を短縮することができます。そうすれば職員は身体が楽になりますし、経営側としては経費の削減にもつながります。

また、書類でデータを管理しているだけでは、それを集計して分析し、介護の質を向上させることもできないんですよね。医療の分野では、さまざまなデータを分析して「こうやるとこうして治る」といったエビデンスを積み重ねているのですが、介護がまだそれがまったく成されていない状況です。これは本当にもったいないことです。

政府はいま「書類を3分の1に減らそう」と広く呼びかけています。介護施設には50年間の紙の書類文化が根付いているので、パソコンに向かう習慣を付けるのは容易ではないかもしれませんが、何とかして推し進めていかなければと思っています。

 

―ほかにはどのような取り組みをされていますか?

入居者様のご家族にとても喜ばれているのが、「動画のライブ配信」です。これを導入しているのはまだ一部の施設ですが、入居者様の居室に24時間365日ライブカメラを取り付けて、入居者様の様子を遠方にいるご家族がいつでも見られるようにしています。このサービスはすごく好評なので、今後はもっと設置施設を増やしていきたいですね。

また、Web会議も導入したいと思っています。本社と介護施設を遠隔で結んで、交通費の削減や、拠点間のサービスレベルの平準化、職員同士のコミュニケーション向上を図りたいです。「社員研修システム」なども、現状の教科書や研修内容は社員によっては難易度が高過ぎて、学びづらいんです。eラーニングなどを取り入れて、その点もどんどん充実させ、職員がなるべく職場から動かずにスキルアップできるようにしていきたいです。

 

 

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